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キャリアコンサルタント更新講習の“現実”と、これからのあり方を考える

国家資格キャリアコンサルタントの制度が始まってから数年が経ち、初回登録者の多くが更新時期を迎えています。更新には、「講習の受講」が義務づけられており、5年ごとに【知識講習8時間】【技能講習30時間】を修了しなければなりません。

一見、スキル維持と向上を目的としたこの制度。しかし現場では、「講習の中身」や「時間と費用の負担」、「実務に即した学びになっているのか」といった疑問の声も少なくありません。

講習の“義務感”が招く形骸化

更新講習は本来、キャリアコンサルタントとしての専門性を磨き続けるための機会であるべきです。しかし、実際には「更新のために仕方なく受けるもの」「時間とお金がかかるだけ」と感じる人も増えているのが現状です。内容が座学中心であったり、現場での実践に結びつかないと、受講者のモチベーションも低下してしまいます。

実務に寄り添う講習が求められている

今、求められているのは“現場に活きる内容”です。たとえば、AI時代のキャリア支援、メンタルケアとキャリアの両立支援、ミドルシニアの転職支援など、リアルな課題に対応できる講習であれば、現役コンサルタントにとっても「受けて良かった」と思えるでしょう。

また、オンライン化や柔軟な受講方法も広がってきてはいますが、内容の質が伴わなければ意味がありません。「どの講習を選ぶか」で大きく学びの質が変わってしまう現実があります。

“義務”から“価値ある学び”へ

キャリアコンサルタントという資格が社会に根付いていくためには、更新講習を単なる「制度のための義務」ではなく、「プロフェッショナルとして学び続ける姿勢の表れ」として再定義する必要があります。

そのためにも、講習提供機関や講師側も、実務との接続を重視し、参加者が主体的に学びたくなるようなプログラムを開発していくことが不可欠です。

更新講習は、制度の維持のためではなく、キャリア支援の未来を創る一歩にできるか。
その問いに、今こそ真剣に向き合う時期に来ているのかもしれません。

更新講習の値段ってどのくらいかかるのか

キャリアコンサルタントの更新講習にかかる費用は、大きく次の3つに分かれます:

更新手数料

• 登録センターへ支払う「更新手数料」が8,000円必要です 。

知識講習(8時間)

• 受講費用は8,500〜35,000円程度、平均で約16,000円程度 。

技能講習(30時間)

• 時間数や講師、形式によって価格変動がありますが、
• 例:6時間=20,000円など
• 合計30時間受講する場合、約100,000円前後が一般的 。
• 特定の条件を満たすと一部免除(最大10時間)も可能 。

全体の目安

• 合計すると――
• 知識講習:16,000円
• 技能講習:100,000円
• 更新手数料:8,000円
• 合計:約124,000円になります 。
• 実際の事例(ブログ等)では、「5年で約123,300円」と報告されています

更新講習でどんなことを学ぶ?

キャリアコンサルタントの更新講習では、資格保持者が“時代に即した知識やスキルを再確認・アップデート”することを目的に、大きく2つの区分で学びます。

【知識講習(8時間)】で学ぶ内容

キャリア支援に関する“制度や理論などの最新知識”を体系的に学びます。

主な内容例

• 最新のキャリア理論(スーパー、ホランド、シャインなどの理論の現代的活用)
• 職業情報の活用方法(労働市場動向、職業分類、産業構造の変化)
• 関係法令の改正動向(労働契約法、育児・介護休業法、障害者雇用促進法など)
• キャリア支援に関わる公的施策(ジョブ・カード、セルフ・キャリアドック、リスキリング支援など)
目的:制度や社会の変化に対応した“正しい情報提供”ができるようにする。

【技能講習(30時間)】で学ぶ内容

こちらは実践力にフォーカスし、“相談対応の力”や“面談の技法”を磨くことが主目的です。

• キャリア面談のロールプレイとフィードバック(傾聴、質問、共感、整理の技術)
• キャリア支援のプロセス設計(初回面談〜目標設定〜フォローアップ)
• 多様な対象への支援法
• 若年層、ミドル・シニア、女性、障害者、外国人などへの支援
• セルフ・キャリアドックの導入・実施方法
• グループワーク・ケーススタディによる実務力強化

目的:クライアントの課題を“言語化”し、“自律的な意思決定”をサポートできる技能を磨く。

最近注目されているトピック
• キャリア支援とメンタルヘルスの連携
• AI・テクノロジー時代のキャリア形成支援
• ミドル・シニア層のキャリア再構築
• リスキリング支援と企業内キャリアコンサルティング
• 多文化共生社会における支援(外国籍人材など)

コラムに使える一文例
「更新講習では、最新のキャリア理論や労働法制の知識だけでなく、多様な対象への支援法、面談スキルの実践演習など、日々の現場に活かせる内容が求められています。しかし講習によっては、形式的な座学にとどまり、実務に活かしきれないという声も少なくありません。」

Q更新講習免除ってある?
更新講習の免除(技能講習・知識講習)
1. 学科試験合格による免除(A+Bとも)
• キャリアコンサルタント登録後、キャリアコンサルティング技能検定1級または2級に合格した場合、その後5年以内の「知識(A講習)及び技能(B講習)」が両方免除されます 。
2. 1級所持による技能講習免除
• 「技能検定キャリアコンサルティング職種1級」を所持している場合、毎回の更新において技能講習(B)が免除されます 。

実務・指導による技能時間の充当(最大10時間)
• 「1級資格保有者からの指導」を受けた時間や、
「キャリアコンサルティングの実務従事時間」は、技能講習として30時間分のうち最大10時間までとして認められます 。
• 実務従事が適用となる条件:
1. 対象者が「労働者」(求職者含む)であること
2. 内容が職業選択や職業能力開発などに関するものであること
3. 1対1または少人数(約6名以内)形式で行われていること

「技能検定1級または2級に合格していれば、登録後5年以内の更新では、知識講習(8時間)と技能講習(30時間)が丸ごと免除となります。また、1級を持っていれば更新ごとに技能講習が免除。さらに、実務や指導の経験があれば、最大10時間分の技能時間が充当される制度もあります。」

書き起こしの際のアドバイス
• 「合格後5年以内」は具体的な期限だから、その点を強調し、計画的な受験・更新スケジュールを提案すると説得力アップです。
• 実務・指導充当の要件(対象者・形式)も、制度の「活用しづらさ」を描く材料として組み込めます。
• ただし「丸ごと免除」と「時間充当」は適用範囲が異なるので、読者に誤解させないように丁寧に説明すると良いですね。

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